【書評】山口周 ニュータイプの時代。新時代を生き抜く24の思考・行動様式

この記事は約26分で読めます。

どうも!今後の未来がどうなっていくのか楽しみでしょうがないゴロウ(@havefun_goro)です!

あなたはコレから先、どんな人が求められるようになるのか気になりますか?僕はめっちゃ気になります。

先日、7月6日に発売された『ニュータイプの時代―新時代を生き抜く24の思考・行動様式-』を読みました。

これから求められる人材(ニュータイプ)はどんな人なのか?を大きな視点で見ることのできる、めっちゃ勉強になる本でしたよ。

24の思考・行動様式が8つの章で構成されていて、ニュータイプについて詳しく書かれています。

ニュータイプとは、自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材のこと。今後は大きな価値を生み出し、評価され、本質的な意味での「豊かな人生」を送ることになると書いてあった。

反対に、20世紀の後半から21世紀の初頭にかけて高く評価されてきた、従順で、論理的で、勤勉で、責任感の強い、世間一般的にいう「優秀な人材」=「オールドタイプ」は急速に価値を失っていくらしいです。

簡単に言うと、真面目一筋の人より、遊びを利かしたユニークな人が求められるようになるということだ。

それ本当??って言う疑問にもしっかりと答えてくれる本だったので、一見の価値あり!

久々に没頭した本でしたよ!!
今回はこの本の紹介記事です。

めっちゃ長いんで、心して読んでくださいw

ニュータイプを理解するための8つの章

  1. 人材をアップデートする6つのメガトレンド
  2. ニュータイプの価値創造
  3. ニュータイプの競争戦略
  4. ニュータイプの思考法
  5. ニュータイプのワークスタイル
  6. ニュータイプのキャリア戦略
  7. ニュータイプの学習
  8. ニュータイプの組織マネジメント

これから求められる思考・行動様式とは?

著者が本の中で伝えていたのは、モノが過剰になり、正解が一般的になっていく世界では、これまで評価されてきた「論理とサイエンス」は急速に価値を失い「美意識とアート」が求められるということ。

そして、今後は「問題発見」と「意味創出」の価値が増すということです。

まず、抑えておきたいポイントであるこの本の大枠、オールドタイプとニュータイプの違いはこんな感じ。

これから求められる思考・行動様式とは?

オールドタイプ ニュータイプ
正解を探す 問題を探す
予測する 構想する
KPIで管理する 意味を与える
生産性を上げる 遊びを盛り込む
ルールに従う 自らの道徳観に従う
1つの組織に留まる 組織間を越境する
綿密に計画し実行する とりあえず試す
奪い独占する 与え、共有する
経験に頼る  学習能力に頼る補足

奪うよりも共有できる人のが求められるなどは、そりゃそうだわと思うし、経験に頼るってオールドタイプなん??という不思議に思う点もあり。

2~8章の中で気になった部分をピックアップして紹介していきますね!

 

第2章 ニュータイプの価値創造

正解を見つけるのでなく、問題を見つけることが重要になってきている

筆者が言うには、テクノロジーが世界中に発展したこの世の中で問題は少しづつ減っているらしい。

未だにアフリカなどでは飢餓に苦しんでいる人も多いけど、確かに、昔に比べ平均寿命は延びているし、生活もどんどん便利になっていってます。

まだまだ世界には、解決すべき問題はあるけども、少しづつ問題は減ってきているとのこと。

そうなった時に本当の問題が何なのか?という所に気づける人が減ってきているらしいです。

減ってきている問題に目を向けるのでなく、逆にテクノロジーを見せつけるがごとく、革新的な解決策に目を向ける人が多いとのこと。

偽物のイノベーターがする、そういった革新的な解決策は自分の承認欲求を満たすための行為であり、それよりも、優れた問題発見が重要となってきているそうです。

なるほど、問題は減ってきているからこそ、問題を見つける力が必要ってことね!

 

例えば、セグウェイが世に出てきた時、最先端技術を駆使し、世界からも注目を浴びていました。

しかし、テクノロジーこそ最先端ではあったが、どんな問題を解こうとしているのかがはっきりしない製品だったそうです。

よって、注目度が高い割に世の中に浸透していかなかった。

セグウェイは問題が見えない中で、解決策に走ることの無意味さを教えてくれる。

すごいことをしなくたっていい、自分なりの社会への課題を持って、できることをやっていこう。
そう言うことだと僕は解釈しました。

 

合わせて、未来がどうなるか?という予測に目を向けることや、その未来のために何を準備したらよい?という受動的な発想でなく未来をどうしたいのか?という能動的な行動、未来を構想することが重要になってくるよと筆者は語っていました。

 

第3章 ニュータイプの競争戦略

世界は実質的な価値を見出さない虚業的労働に陥っている

「将来、週15時間働くだけで済むようになる。」これは、20世紀初めの世界大恐慌からの経済復興をリードしたイギリスの経済学者ケインズが提唱した内容。

「ケインズの予言 幻想のグローバル資本主義下」に書かれている予言は外れたとされています。

実際に今、働き方改革がどうとか世の中は騒がれてますが、日本の労働時間はまだまだ8時間だし、先進国での働きは昔から大きく変わってません。(スペインなどあまり頑張りすぎない国もありますが。)

しかし、本当にそうなのだろうか?と著者は疑問視しています。

 

人間を長く悩ませ続けていた「不満・不安・不便」を解消するために、重要な労働は1日3時間程度で済むようになったんじゃないか?

残りの時間は実質的な価値を見出さない虚業的労働に陥っているんじゃないか?

と著者は考えてます。

 

つまり、オールドタイプは現代の問題を拡大再生産しているだけで、無駄に働いていることになると。

実際社会人類学の教授デヴィッドグレーバーは2018年に出版した「Bullshit Jobs A Theory」で「世の中の仕事の過半数は無意味なクソ仕事だ」と提唱している。

 

クソ仕事って。。。笑 

最近の発売される商品やサービスは、別になくても生活できる贅沢品の類ばかりだし、みんなモノにお金を使わなくなっているのもその流れだよね![/voice]

誰だってクソ仕事なんてしたくはないと思うんだけど、社会で起きてるのは意味をなさない仕事も多い。

 

意味(ビジョン)があることがモチベーションアップにつながる

クソ仕事を生み出してしまっている要因の一つとして、上司(組織のトップ)が意味(ビジョン)を語らないことがある。

意味を語らず、ひたすらに「これだけやってこい!」と目標値を振りかざして部下を叱咤するオールドタイプと、目的と意味を語り部下のモチベーションに訴えるニュータイプでどちらが良いのかは読者のみなさんにも明確でしょう。

 

意味を持って仕事に臨むことの大切さを物語る面白いエピソードとして、LCCで有名なピーチのことが載っていました。

ピーチの会社の存在する意味は「戦争をなくすこと」だそうです。

えっどういうこと?って思ったんですが、簡単に言うと、戦争をなくすために、友達が色んな国にいるという状態にしたい。

だから、お金のない若い時から気軽に外国に行ける環境を作るために、この会社がある。

この意味(ビジョン)がなかったら、ただ安くするために、人件費を削ったり、飛行機の効率化だけが意味になってしまい、本末転倒なことをしかねない。

でもそうじゃなくて、戦争を無くしたいという意味があるから、その他の大変な部分に目をつむれるようになる。ということだそうです。

 

ケインズの文章で、もういっちょ面白いことが載っていたので、載せておきますね!これは僕の無職生活にとってのテーマのようなもの。

ケインズ説得論集

—-しかし思うに、余暇が十分にある豊かな時代が来ると考えた時に、恐怖心を抱かない国や人はいないだろう。人は皆、長年に渡って、懸命に努力するようにしつけられてきたのであり、楽しむようには育てられていない。特に才能があるわけでもない平凡な人間にとって、暇な時間をどう使うのかは恐ろしく問題である。——

 

マーケット重視でなく、本当に自分が作りたいものを

あなたはマルニ木工という会社を知っていますか?

マルニ木工とは、アップルの会社に椅子を納入してる日本の地方の会社です。

当初「アジアでナンバーワンの家具メーカーになる!」と大きなスケールを求める経営をやっていた。

しかしバブル崩壊後に会社が傾き、その後、利益第一主義や、無借金経営など、教科書的な策をたくさんしたが、どれもダメだった。

そんな時、社長がふと自社のカタログをパラパラしていた時、一つの大きなことに気付く。

「自分の欲しい商品が一つもない。。。安くしても売れないのであれば、本気で自分が欲しいと思う椅子で挑戦しよう!」

これをきっかけに、今までのやり方を全て変え、自分が欲しいと思うものだけを作るようにしたそうです。

 

市場に合わせすぎたり、生産性ばかりを追うのががオールドタイプ。美意識とそこに意味を与えるのがニュータイプってことだね

 

さらに、ひと昔前ならローカルな会社では世界に届けることはできなかったけど、今は自分でメディアを持つことができる。

それもあって世界に届けることができた。

おかげで会社も軌道に乗っていき、最終的にアップルに自社の椅子をおいてもらえるようになったわけです。

自分が欲しいと思わないものを、他人が欲しいと思うわけがない。

このことに気付かずにマーケットばかりに気をとらわれていたら、大事なポイントを見失ってしまう。それを教えてくれる良いエピソードですよね!

 

市場で意味のポジションを持つ 役に立つより意味がある方が高く売れる。

コンビニのタバコと、ホッチキスが比較されていて面白かった内容。

タバコは役に立たないけど、意味があるから200種類もある。反対にホッチキスは定番商品を1、2個置いておけば誰も文句を言わない。

つまり、ホッチキスに関しては、役に立つけど意味がないということ。

これをグローバルな視点に置き換えると、役に立つというアマゾンやグーグルのような企業の市場で戦うか、意味があるという市場で独自のポジションを築いて戦うか?

につながります。

役に立つけど意味がない代表格がトヨタ車。
逆に、役には立たないけど、意味があるのはBMWやフェラーリなどの、ある一定の人に特別に価値も併せ持つ車。

実際、雨だったら動かしちゃダメとか、必要のないエンジンを積んでいる点で燃費も悪く役には立ちません。

ただ、そこに意味がある。これが生き残るためには大事だよと書いてありました。

まぁ、環境に適してないから、高級車もそのうち意味を持ちづらくなるとは思うけどね。

 

第4章 ニュータイプの思考法

偶然性を戦略的に取り入れる

自然界にはエラーが存在する方がうまくいくことがある。

あなたは、この事実を信じることができますか?

何らかのポジティブなエラーが発生することによって、システムのパフォーマンスが向上する。

この本中ではアリ塚のことが載っていて、これがまた面白いんですよ。

 

簡単に言うと、真面目ばっかりのコロニー(集団)よりも、マヌケが混じってるコロニーの方が、エサの持ち帰り効率が良かったということ。

真面目アリばかりのコロニーの方が頭が良いので、はじめのうちはえさの獲得率が良いそうです。

しかし、ここで間抜けアリ。

マヌケアリが偶然最短ルートを見つけちゃうんですよw

 

その後、最短ルートを他のアリも使うようになる。

これはつまり、短期的な非効率が中期的な高効率につながる」ということなんです。

短期で効率ばかりを追いかけるのでなく、直感を感じながら遊びを入れつつ進めることが、今後の行動様式として求められる。というわけなんです。

 

また、みなさんご存知の3Mのポストイット。

 

革新的な業績を起こしている会社の中には、規律だけでなく、遊びを入れている会社も多々あるんですが、その代表格がこのポストイットを作っている3Mという会社なんです。

3Mでは「こんなことをやって何の役に立つのか?」という時間を会社で働く時間の中に、一定時間設けています。

その中から、たまたまこのポストイットは発明され、結果的にイノベーションになったそうなんです。

 

第5章 ニュータイプのワークスタイル

内発的動機とフィットする場に身を置く

ここではノルウェイの探検家アムンセンと、イギリスの軍人エリート家系に生まれたイギリス海軍少佐スコット、どちらが先に南極点に到達するかというレースが例に挙げられています。

アムンセンは、小さい頃から極点での寒さに耐えられる体になるようにと、真冬に窓全開の部屋で過ごしたり、犬ぞりやキャンプ、スキーなどの極地で必要な技術や知識を、実際に経験を積み身につけていました。

一方、スコットは、アムンセンのような極点への憧れはなく、軍から命令を受けて南極へ赴いただけ。

なので、探検家としては素人と言っていいものでした。

結果はもちろん圧倒的大差をつけ、アムンセンの勝利。スコットチームは、最終的に食料も燃料も尽き、部下と自らの命も失ってしまいます。

両者の大きな差はモチベーション。

アムンセンは、冒険家として最初に南極に行きたい、ただそれだけのモチベーションだったのに対し、スコットは、与えられたミッションを完遂して評価され出世したいという、承認欲求が働いたモチベーション

言い換えると、内発的モチベーションで動くニュータイプと、上司からの指示で動くオールドタイプ。

内発的動機がある「場」に身を置けるニュータイプになれれば、自由に動き回れる上に、嬉しいことに勝手にオールドタイプに勝ってしまうということです!

 

第6章 ニュータイプのキャリア戦略

大量に試してうまくいったものを残す

何が良いのかはやってみないとわからない!成功は確率論だよという話。

驚きは実際の成功事例の80%は偶然だったということ。
オールドタイプがよくやる、綿密に練った計画はだいたい失敗に終わるらしいw

それと同時に試し上手は、やめ上手。

何かを試したければ、何かを捨てなければならない。なぜなら時間資源には限界があるから。
リスクが取れない人は、始められないのではなく、やめられないのです。

とにかく、ガンガンやって、どうもヤバそうだと思ったらサッサと逃げるがニュータイプには必要。
何だってやってみないとわかんないからね!

飽き性の僕としては、とっても嬉しい言葉笑。


石の上にも3年とか言ってる場合ではなくなってきたのか・・・?

 

第7章 ニュータイプの学習力

苦労して身につけたパターン認識を書き換える。

近い将来、「豊富な経験を持ち、その経験に基づいてやろうとする人材」はオールドとして、価値を失っていく。

一方、「経験に頼らず新しい状況から学習する」人材がニュータイプとして高く評価されるそうです。

本来経験豊富なパターンを多く持ってる方が対処が効いて有効だと思われます。

しかし環境変化が早くなると、経験則だけでは追いつかないことが生じうる。

鍵は速学ではなく、古い学びのリセット、
何かを覚えるでなく、何かを忘れること。

だそうですがこの「リセット・忘れること」というのは非常に難しいのです。

例えば転ばずに自転車に乗れるようになった人はいないし、転ばずにスキーをマスターした人もいません。
人は多くの失敗=ストレスという代償を支払って、能力を習得してるから、リセットは難しいのです。

せっかく得た能力を手放したくないし、またあのストレスを感じるのが怖いのです。

ただ、大きな環境変化が起こる中で、それまでの経験は無価値。
それどころか、かえって意思決定や行動のクオリティがめちゃくちゃ下がっちゃうよ、ということ。

 

第8章 ニュータイプの組織マネジメント

権威ではなく「問題意識」で行動する

日本では相変わらず「肩書き」や「立場」が大切で、言われたことより誰がそれを言ったのかを気にするオールドタイプが多くいます。

海外のパニック映画では、コアな中心人物は無能ぶりを発揮するだけで、田舎刑事がリーダーシップを取り問題を解決することが多いですが、日本のパニック映画(本書ではゴジラが例として上がっています。)では、コアはリーダーであり、いつも正しくパワーがある存在として描かれ、彼らが問題を解決します。

この事実から、海外では「コアに依存するな、権力をもたないオマエも自分から動け」というメッセージが読み取れます。

それに反して、日本は「困った時には偉くて立派な人が助けてくれる」という心理が投影されています。

 

本来リーダーシップと権威はイコールではなく、リーダーシップは「問題意識」から生まれるものだと筆者は綴っています。

つまり、大きな権限をもっていなくとも、問題意識や危機意識に突き動かされて、しょうがなくリーダーシップを発揮してしまうということ。

今自分にはそんなこという権限ないんで・・・とか言ってるやつは、明日権威を手に入れたとしても、何もできやしません。

これからの時代は、世界に耳を澄まし、自らの問題意識の中で手を差し伸べられる人が、ニュータイプとして求められるみたいです!!

 

まとめ

いかがでしたか?
今回ピックアップしたのはごく一部で、まだまだ書きたいことはあるのですが、あとはぜひご自身で読んでみてください!

最後に、時代が代わり、システムが変わっても、人それぞれの思考・行動様式が変換しなければ、時代は転換しないと綴られていました。

今が時代の転換期だとするならば「人間の見方」もアップデートされるべきだと。

ニュータイプについて知り、考えることで、自分のモチベーションにも繋がるし、これからの自分の人生が楽しみにもなりました。

もっと自由でしなやかな人生が待ち受けているかと思うと、ワクワクが止まりません。

きっと読んで損はないと思います!
熱が入ってしまい、長い書評になってしまいましたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました!

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どうも!今後の未来がどうなっていくのか楽しみでしょうがないゴロウ(@havefun_goro)です!

あなたはコレから先、どんな人が求められるようになるのか気になりますか?僕はめっちゃ気になります。

先日、7月6日に発売された『ニュータイプの時代―新時代を生き抜く24の思考・行動様式-』を読みました。

これから求められる人材(ニュータイプ)はどんな人なのか?を大きな視点で見ることのできる、めっちゃ勉強になる本でしたよ。

24の思考・行動様式が8つの章で構成されていて、ニュータイプについて詳しく書かれています。

ニュータイプとは、自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材のこと。今後は大きな価値を生み出し、評価され、本質的な意味での「豊かな人生」を送ることになると書いてあった。

反対に、20世紀の後半から21世紀の初頭にかけて高く評価されてきた、従順で、論理的で、勤勉で、責任感の強い、世間一般的にいう「優秀な人材」=「オールドタイプ」は急速に価値を失っていくらしいです。

簡単に言うと、真面目一筋の人より、遊びを利かしたユニークな人が求められるようになるということだ。

それ本当??って言う疑問にもしっかりと答えてくれる本だったので、一見の価値あり!

久々に没頭した本でしたよ!!
今回はこの本の紹介記事です。

めっちゃ長いんで、心して読んでくださいw

ニュータイプを理解するための8つの章

  1. 人材をアップデートする6つのメガトレンド
  2. ニュータイプの価値創造
  3. ニュータイプの競争戦略
  4. ニュータイプの思考法
  5. ニュータイプのワークスタイル
  6. ニュータイプのキャリア戦略
  7. ニュータイプの学習
  8. ニュータイプの組織マネジメント

これから求められる思考・行動様式とは?

著者が本の中で伝えていたのは、モノが過剰になり、正解が一般的になっていく世界では、これまで評価されてきた「論理とサイエンス」は急速に価値を失い「美意識とアート」が求められるということ。

そして、今後は「問題発見」と「意味創出」の価値が増すということです。

まず、抑えておきたいポイントであるこの本の大枠、オールドタイプとニュータイプの違いはこんな感じ。

これから求められる思考・行動様式とは?

オールドタイプ ニュータイプ
正解を探す 問題を探す
予測する 構想する
KPIで管理する 意味を与える
生産性を上げる 遊びを盛り込む
ルールに従う 自らの道徳観に従う
1つの組織に留まる 組織間を越境する
綿密に計画し実行する とりあえず試す
奪い独占する 与え、共有する
経験に頼る  学習能力に頼る補足

奪うよりも共有できる人のが求められるなどは、そりゃそうだわと思うし、経験に頼るってオールドタイプなん??という不思議に思う点もあり。

2~8章の中で気になった部分をピックアップして紹介していきますね!

 

第2章 ニュータイプの価値創造

正解を見つけるのでなく、問題を見つけることが重要になってきている

筆者が言うには、テクノロジーが世界中に発展したこの世の中で問題は少しづつ減っているらしい。

未だにアフリカなどでは飢餓に苦しんでいる人も多いけど、確かに、昔に比べ平均寿命は延びているし、生活もどんどん便利になっていってます。

まだまだ世界には、解決すべき問題はあるけども、少しづつ問題は減ってきているとのこと。

そうなった時に本当の問題が何なのか?という所に気づける人が減ってきているらしいです。

減ってきている問題に目を向けるのでなく、逆にテクノロジーを見せつけるがごとく、革新的な解決策に目を向ける人が多いとのこと。

偽物のイノベーターがする、そういった革新的な解決策は自分の承認欲求を満たすための行為であり、それよりも、優れた問題発見が重要となってきているそうです。

なるほど、問題は減ってきているからこそ、問題を見つける力が必要ってことね!

 

例えば、セグウェイが世に出てきた時、最先端技術を駆使し、世界からも注目を浴びていました。

しかし、テクノロジーこそ最先端ではあったが、どんな問題を解こうとしているのかがはっきりしない製品だったそうです。

よって、注目度が高い割に世の中に浸透していかなかった。

セグウェイは問題が見えない中で、解決策に走ることの無意味さを教えてくれる。

すごいことをしなくたっていい、自分なりの社会への課題を持って、できることをやっていこう。
そう言うことだと僕は解釈しました。

 

合わせて、未来がどうなるか?という予測に目を向けることや、その未来のために何を準備したらよい?という受動的な発想でなく未来をどうしたいのか?という能動的な行動、未来を構想することが重要になってくるよと筆者は語っていました。

 

第3章 ニュータイプの競争戦略

世界は実質的な価値を見出さない虚業的労働に陥っている

「将来、週15時間働くだけで済むようになる。」これは、20世紀初めの世界大恐慌からの経済復興をリードしたイギリスの経済学者ケインズが提唱した内容。

「ケインズの予言 幻想のグローバル資本主義下」に書かれている予言は外れたとされています。

実際に今、働き方改革がどうとか世の中は騒がれてますが、日本の労働時間はまだまだ8時間だし、先進国での働きは昔から大きく変わってません。(スペインなどあまり頑張りすぎない国もありますが。)

しかし、本当にそうなのだろうか?と著者は疑問視しています。

 

人間を長く悩ませ続けていた「不満・不安・不便」を解消するために、重要な労働は1日3時間程度で済むようになったんじゃないか?

残りの時間は実質的な価値を見出さない虚業的労働に陥っているんじゃないか?

と著者は考えてます。

 

つまり、オールドタイプは現代の問題を拡大再生産しているだけで、無駄に働いていることになると。

実際社会人類学の教授デヴィッドグレーバーは2018年に出版した「Bullshit Jobs A Theory」で「世の中の仕事の過半数は無意味なクソ仕事だ」と提唱している。

 

クソ仕事って。。。笑 

最近の発売される商品やサービスは、別になくても生活できる贅沢品の類ばかりだし、みんなモノにお金を使わなくなっているのもその流れだよね![/voice]

誰だってクソ仕事なんてしたくはないと思うんだけど、社会で起きてるのは意味をなさない仕事も多い。

 

意味(ビジョン)があることがモチベーションアップにつながる

クソ仕事を生み出してしまっている要因の一つとして、上司(組織のトップ)が意味(ビジョン)を語らないことがある。

意味を語らず、ひたすらに「これだけやってこい!」と目標値を振りかざして部下を叱咤するオールドタイプと、目的と意味を語り部下のモチベーションに訴えるニュータイプでどちらが良いのかは読者のみなさんにも明確でしょう。

 

意味を持って仕事に臨むことの大切さを物語る面白いエピソードとして、LCCで有名なピーチのことが載っていました。

ピーチの会社の存在する意味は「戦争をなくすこと」だそうです。

えっどういうこと?って思ったんですが、簡単に言うと、戦争をなくすために、友達が色んな国にいるという状態にしたい。

だから、お金のない若い時から気軽に外国に行ける環境を作るために、この会社がある。

この意味(ビジョン)がなかったら、ただ安くするために、人件費を削ったり、飛行機の効率化だけが意味になってしまい、本末転倒なことをしかねない。

でもそうじゃなくて、戦争を無くしたいという意味があるから、その他の大変な部分に目をつむれるようになる。ということだそうです。

 

ケインズの文章で、もういっちょ面白いことが載っていたので、載せておきますね!これは僕の無職生活にとってのテーマのようなもの。

ケインズ説得論集

—-しかし思うに、余暇が十分にある豊かな時代が来ると考えた時に、恐怖心を抱かない国や人はいないだろう。人は皆、長年に渡って、懸命に努力するようにしつけられてきたのであり、楽しむようには育てられていない。特に才能があるわけでもない平凡な人間にとって、暇な時間をどう使うのかは恐ろしく問題である。——

 

マーケット重視でなく、本当に自分が作りたいものを

あなたはマルニ木工という会社を知っていますか?

マルニ木工とは、アップルの会社に椅子を納入してる日本の地方の会社です。

当初「アジアでナンバーワンの家具メーカーになる!」と大きなスケールを求める経営をやっていた。

しかしバブル崩壊後に会社が傾き、その後、利益第一主義や、無借金経営など、教科書的な策をたくさんしたが、どれもダメだった。

そんな時、社長がふと自社のカタログをパラパラしていた時、一つの大きなことに気付く。

「自分の欲しい商品が一つもない。。。安くしても売れないのであれば、本気で自分が欲しいと思う椅子で挑戦しよう!」

これをきっかけに、今までのやり方を全て変え、自分が欲しいと思うものだけを作るようにしたそうです。

 

市場に合わせすぎたり、生産性ばかりを追うのががオールドタイプ。美意識とそこに意味を与えるのがニュータイプってことだね

 

さらに、ひと昔前ならローカルな会社では世界に届けることはできなかったけど、今は自分でメディアを持つことができる。

それもあって世界に届けることができた。

おかげで会社も軌道に乗っていき、最終的にアップルに自社の椅子をおいてもらえるようになったわけです。

自分が欲しいと思わないものを、他人が欲しいと思うわけがない。

このことに気付かずにマーケットばかりに気をとらわれていたら、大事なポイントを見失ってしまう。それを教えてくれる良いエピソードですよね!

 

市場で意味のポジションを持つ 役に立つより意味がある方が高く売れる。

コンビニのタバコと、ホッチキスが比較されていて面白かった内容。

タバコは役に立たないけど、意味があるから200種類もある。反対にホッチキスは定番商品を1、2個置いておけば誰も文句を言わない。

つまり、ホッチキスに関しては、役に立つけど意味がないということ。

これをグローバルな視点に置き換えると、役に立つというアマゾンやグーグルのような企業の市場で戦うか、意味があるという市場で独自のポジションを築いて戦うか?

につながります。

役に立つけど意味がない代表格がトヨタ車。
逆に、役には立たないけど、意味があるのはBMWやフェラーリなどの、ある一定の人に特別に価値も併せ持つ車。

実際、雨だったら動かしちゃダメとか、必要のないエンジンを積んでいる点で燃費も悪く役には立ちません。

ただ、そこに意味がある。これが生き残るためには大事だよと書いてありました。

まぁ、環境に適してないから、高級車もそのうち意味を持ちづらくなるとは思うけどね。

 

第4章 ニュータイプの思考法

偶然性を戦略的に取り入れる

自然界にはエラーが存在する方がうまくいくことがある。

あなたは、この事実を信じることができますか?

何らかのポジティブなエラーが発生することによって、システムのパフォーマンスが向上する。

この本中ではアリ塚のことが載っていて、これがまた面白いんですよ。

 

簡単に言うと、真面目ばっかりのコロニー(集団)よりも、マヌケが混じってるコロニーの方が、エサの持ち帰り効率が良かったということ。

真面目アリばかりのコロニーの方が頭が良いので、はじめのうちはえさの獲得率が良いそうです。

しかし、ここで間抜けアリ。

マヌケアリが偶然最短ルートを見つけちゃうんですよw

 

その後、最短ルートを他のアリも使うようになる。

これはつまり、「短期的な非効率が中期的な高効率につながる」ということなんです。

短期で効率ばかりを追いかけるのでなく、直感を感じながら遊びを入れつつ進めることが、今後の行動様式として求められる。というわけなんです。

 

また、みなさんご存知の3Mのポストイット。

 

革新的な業績を起こしている会社の中には、規律だけでなく、遊びを入れている会社も多々あるんですが、その代表格がこのポストイットを作っている3Mという会社なんです。

3Mでは「こんなことをやって何の役に立つのか?」という時間を会社で働く時間の中に、一定時間設けています。

その中から、たまたまこのポストイットは発明され、結果的にイノベーションになったそうなんです。

 

第5章 ニュータイプのワークスタイル

内発的動機とフィットする場に身を置く

ここではノルウェイの探検家アムンセンと、イギリスの軍人エリート家系に生まれたイギリス海軍少佐スコット、どちらが先に南極点に到達するかというレースが例に挙げられています。

アムンセンは、小さい頃から極点での寒さに耐えられる体になるようにと、真冬に窓全開の部屋で過ごしたり、犬ぞりやキャンプ、スキーなどの極地で必要な技術や知識を、実際に経験を積み身につけていました。

一方、スコットは、アムンセンのような極点への憧れはなく、軍から命令を受けて南極へ赴いただけ。

なので、探検家としては素人と言っていいものでした。

結果はもちろん圧倒的大差をつけ、アムンセンの勝利。スコットチームは、最終的に食料も燃料も尽き、部下と自らの命も失ってしまいます。

両者の大きな差はモチベーション。

アムンセンは、冒険家として最初に南極に行きたい、ただそれだけのモチベーションだったのに対し、スコットは、与えられたミッションを完遂して評価され出世したいという、承認欲求が働いたモチベーション。

言い換えると、内発的モチベーションで動くニュータイプと、上司からの指示で動くオールドタイプ。

内発的動機がある「場」に身を置けるニュータイプになれれば、自由に動き回れる上に、嬉しいことに勝手にオールドタイプに勝ってしまうということです!

 

第6章 ニュータイプのキャリア戦略

大量に試してうまくいったものを残す

何が良いのかはやってみないとわからない!成功は確率論だよという話。

驚きは実際の成功事例の80%は偶然だったということ。
オールドタイプがよくやる、綿密に練った計画はだいたい失敗に終わるらしいw

それと同時に試し上手は、やめ上手。

何かを試したければ、何かを捨てなければならない。なぜなら時間資源には限界があるから。
リスクが取れない人は、始められないのではなく、やめられないのです。

とにかく、ガンガンやって、どうもヤバそうだと思ったらサッサと逃げるがニュータイプには必要。
何だってやってみないとわかんないからね!

飽き性の僕としては、とっても嬉しい言葉笑。


石の上にも3年とか言ってる場合ではなくなってきたのか・・・?

 

第7章 ニュータイプの学習力

苦労して身につけたパターン認識を書き換える。

近い将来、「豊富な経験を持ち、その経験に基づいてやろうとする人材」はオールドとして、価値を失っていく。

一方、「経験に頼らず新しい状況から学習する」人材がニュータイプとして高く評価されるそうです。

本来経験豊富なパターンを多く持ってる方が対処が効いて有効だと思われます。

しかし環境変化が早くなると、経験則だけでは追いつかないことが生じうる。

鍵は速学ではなく、古い学びのリセット、
何かを覚えるでなく、何かを忘れること。

だそうですがこの「リセット・忘れること」というのは非常に難しいのです。

例えば転ばずに自転車に乗れるようになった人はいないし、転ばずにスキーをマスターした人もいません。
人は多くの失敗=ストレスという代償を支払って、能力を習得してるから、リセットは難しいのです。

せっかく得た能力を手放したくないし、またあのストレスを感じるのが怖いのです。

ただ、大きな環境変化が起こる中で、それまでの経験は無価値。
それどころか、かえって意思決定や行動のクオリティがめちゃくちゃ下がっちゃうよ、ということ。

 

第8章 ニュータイプの組織マネジメント

権威ではなく「問題意識」で行動する

日本では相変わらず「肩書き」や「立場」が大切で、言われたことより誰がそれを言ったのかを気にするオールドタイプが多くいます。

海外のパニック映画では、コアな中心人物は無能ぶりを発揮するだけで、田舎刑事がリーダーシップを取り問題を解決することが多いですが、日本のパニック映画(本書ではゴジラが例として上がっています。)では、コアはリーダーであり、いつも正しくパワーがある存在として描かれ、彼らが問題を解決します。

この事実から、海外では「コアに依存するな、権力をもたないオマエも自分から動け」というメッセージが読み取れます。

それに反して、日本は「困った時には偉くて立派な人が助けてくれる」という心理が投影されています。

 

本来リーダーシップと権威はイコールではなく、リーダーシップは「問題意識」から生まれるものだと筆者は綴っています。

つまり、大きな権限をもっていなくとも、問題意識や危機意識に突き動かされて、しょうがなくリーダーシップを発揮してしまうということ。

今自分にはそんなこという権限ないんで・・・とか言ってるやつは、明日権威を手に入れたとしても、何もできやしません。

これからの時代は、世界に耳を澄まし、自らの問題意識の中で手を差し伸べられる人が、ニュータイプとして求められるみたいです!!

 

まとめ

いかがでしたか?
今回ピックアップしたのはごく一部で、まだまだ書きたいことはあるのですが、あとはぜひご自身で読んでみてください!

最後に、時代が代わり、システムが変わっても、人それぞれの思考・行動様式が変換しなければ、時代は転換しないと綴られていました。

今が時代の転換期だとするならば「人間の見方」もアップデートされるべきだと。

ニュータイプについて知り、考えることで、自分のモチベーションにも繋がるし、これからの自分の人生が楽しみにもなりました。

もっと自由でしなやかな人生が待ち受けているかと思うと、ワクワクが止まりません。

きっと読んで損はないと思います!
熱が入ってしまい、長い書評になってしまいましたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました!

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